西部の特徴
ウクライナ人が多い。
ソビエト時代に計画的飢餓【ホモドモール】により、人口の4分の1を殺された記憶があるため、ロシアが嫌いな人が多い。
東部の特徴
ロシア系住民が多い。
ソビエト時代に、絶滅政策を実行し、もともといた農民に変わり、ロシア人が移入した。そのため、ロシアに批判的な人がいない。
農地や地下資源が豊富で、東側が単独で独立した場合、経済破綻しない可能性が高い。
赤が西側で欧州派。青が東側でロシア派。
そもそも、政権が交代すると、政策が真逆になる体質なのに。
ほとんど、半分なので、選挙をすると、いつもギリギリの票数で決着してしまい、紛争が起こりやすい。

現在の政権は、東部ロシア派が支持するヤヌコビッチ政権。
この人。↓

↑この人がひどい目に合うまでの流れ。
ロシアは、旧ソ諸国に対して、市場価格より、はるかに安い値段で、天然ガスをパイプラインを通して、供給してきた。その天然ガスをウクライナがEUに、横流しする事で、ウクライナは経済を維持し、EU諸国は、安い値段で天然ガスを獲得できていた。
そのため、ウクライナとEUがだんだん仲良しになってきたため、2005年3月にロシアが天然ガスの価格を、市場価格並みに引き上げるという要求をした。
EU諸国も、ロシアの天然ガスなしでの、エネルギー政策は、考えられない状況なので、紛争解決に努め、結果。ガスの価格は、それまで、ウクライナに卸していた価格の1000立方メートルあたり50ドルと、ロシアが求めていた市場価格の230ドルの間の95ドルに落ち着いた。
その後、国の収益の柱になっていた商品の原価が単純に2倍になったので、ウクライナの財政が悪化。
その中で、ウクライナ経済を救う方法として、欧州派とロシア派が対立。
2013年後半までは、欧州派の意見を取り入れ、自由貿易協定【FTA】を含む連合協定をEUと結び。EUとの関係性を強めることで、ウクライナの経済を正常化する方向で進んでいた。
が、しかし。
ヤヌコビッチ大統領が
『国内の生産設備や製品の品質をEU基準に合わせるには2017年までに1600億ユーロ(約22兆円)の費用がかかる。だが、EUからの支援額は約6億ユーロにとどまる』
『国際通貨基金(IMF)の融資再開のメドも立っていない。』
を理由に、EU連合協定の調印を延期した。
この事は、経済的にも政治的にも脱ロシアに失敗した象徴的な出来事であり、反ロシアの西部の人たちが激怒して、2013年11月下旬から20万人規模の大規模なデモが行われる。
2014年に入り、デモが過激化し、2014年2月22日にウクライナ最高議会がヤヌコーヴィチの大統領解任と大統領選挙の繰り上げ実施を決議した。
欧州派の思惑
前首相である美人すぎる首相ティモシェンコを支持し、EU連合協定の調印をする。
短期的には、確実に経済は悪化するが、財政破綻した場合でも、IMFの管理に置いて、財政再建をさせる。

韓国もロシアもインドネシアも経験した事があるIMFによる財政再建は、かなり国民に負担をかけるという事をウクライナの国民は、知らないと思う。
東部ロシア派の思惑
選挙を前倒しに実施し、政権を確実なものにする。
もしくは、
西部と東部を分離し、独立する。
元々存在する280億ドルにのぼるロシアへの債務の取り扱いの変更や約束した状態にある150億ドルの緊急支援があれば、経済構造とエネルギーの需給を改善することができ、財政再建できると考えている。
IMFによる財政再建?
ロシアによる支援で財政再建?
西部と東部を分離独立させての財政再建?
今のところ、3つの選択肢があるが、
もともと、根が深い、国内の2大勢力に、パイプライン利権により、EUとロシアの経済的な思惑が入り乱れ、これに、政治的に正義を貫くアメリカが、暴力に対して、異議を唱え、参戦してきている状況。
この先、どうなるか、分からない。